腎生検体験記⓪〜プロローグ〜

腎生検という腎臓の検査を受けることになりました。今日この後、人生初の入院です。検査とはいえ、入院や痛みを伴う検査なので、病院も痛いのも苦手な僕にとって気が重いのですが、妻と昨年生まれた子供とまだまだ元気に生きていきたいので、覚悟を決めて受けることにしました。多分独り身だったらまだ二の足を踏んでいたことは想像に難くありません。

そして腎生検を受ける可能性が身に降りかかって以来、腎生検を経験された諸先輩方の体験記を読み、決心をする大きな後押しとなったので、僕も先人に倣い、後に続く後輩へ何らかの参考になればと思い、ブログに書き残すことにしました。本記事は腎生検を翌週に控えたプロローグです。

腎生検に至るまでの経緯

2016年9月:健康診断で腎機能の低下を初めて指摘される

それまで痩せすぎ以外では引っかかったことがなかった健康診断。今年も体重や脂肪の増減に一喜一憂するいつもの健康診断で終わるはずだった。タバコもお酒もしない、定期的に運動もしている。わりと健康には気をつけていた方だと自負していたし、この年に夫婦で独立し、よりいっそう健康管理に尽力していた僕の診断結果の用紙にはこれまでとは違う佇まいの記号が印字されていた。

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それは尿検査の項目にある「尿潜血」の横にどっしりと鎮座していた。新入りのくせにやけに態度がでかいなと思った。ちなみにこの時、蛋白は+だった。

え?僕のおしっこの蛋白と血が混じっている?どういうことだ?泌尿器系に何か問題があるのか?かかりつけ医から聞かされた結果は腎機能に異常があるかもしれないとのこと。

腎機能?腎臓?腎臓ってどこにあるの?何をする臓器?診断当初の僕の腎臓に関する知識はおおよそこの程度のものだった。今ではどの臓器よりも詳しくなってしまったのだが…

採血の際に自分の血も見られない位に血が苦手な僕は、おしっこと一緒に血が漏れ出ているという事実を冷静に想像した瞬間、血の気がさぁっと引いていき、スターバックスの席で突っ伏してしまった。

2016年12月:大学病院にて詳細な検査を受ける

かかりつけ病院にて3ヶ月後の12月の再検査でも尿検査に異常があり、詳しく検査をした方が良いよね、ということで紹介状をもらい大学病院へ。結果、やはり腎機能が低下しているらしく、このままの状態が続けば腎生検も視野にという話だった。腎生検を認識したのはこの時が初めてだった。医師から直接腎臓に針をブッ刺す検査というバイオレンスな説明を受け、恐怖に慄いたのは言うまでもない。

この頃、初めて腎生検の体験記をググって読み、痛みや苦しみの描写に未来の自分の姿を重ねた瞬間、血の気がさぁっと引いていき(2回目)、電車の座席の端っこでへなへなと脱力して気を失いそうになってしまった。

しかし、しばらく経過観察をしているうちに蛋白も潜血も消失。その他の検査結果も良好でこの時点で通院も終了し、この時は腎生検は実現することがなかった。その数ヶ月後に受けた健康診断でも蛋白・潜血ともに陰性を維持。ほっと一安心。

2019年7月:淡白と潜血、再び

しかし1年後の健康診断でまたもや尿に蛋白と潜血の陽性が発覚。その後、かかりつけの病院で定期的に尿検査や血液検査などの経過観察を続け、良くなったり悪くなったりといった一進一退の状態が続く。

2020年10月:腎生検確定

定期検査で数値がやや悪化していることを受け、紹介先の大学病院へ、紹介先での諸々の検査の結果、晴れて?腎生検確定となる。

今の心境

怖さは当然ありますが、ある程度覚悟は決まりました。とは言ってみたものの1週間ほど前から胃腸の調子が悪く、入院の不安が出ているのかもしれません...コロナ禍で面会もできず、感染の不安も拭えません。妻が1週間ワンオペとなるのもだいぶ心苦しいですし、1日でも早く退院となるように無事に検査を終え、全力で回復に努めます。どうか無事に帰ってこれますように...大袈裟か...?